楽天モバイルが、米国のAST SpaceMobile(AST)と提携し、革新的な衛星通信サービスを日本で展開する計画を発表しました。このサービスは、2026年内の提供開始を目指しており、日本全域をカバーする画期的な通信インフラとなる可能性を秘めています。
目次
サービスの特徴
- 市販スマートフォンで利用可能: 特殊な端末を必要とせず、一般的なスマートフォンで衛星と直接通信できる。
- ブロードバンド通信: テキストメッセージだけでなく、音声通話やビデオ通話も可能。
- 高速通信: 試験では14Mbpsのダウンロード速度を達成し、インターネットブラウジングやビデオストリーミングも可能。
技術的進展
ASTは、低軌道衛星「BlueBird」の新世代機「Block 2」の製造を開始しました。これらの衛星は以下の特徴を持っています。
- 大型アンテナ: Block 2のアンテナ面積は約223m²で、前世代の3倍以上。
- 高性能: 自社開発チップにより、1機あたり10GHzの帯域処理が可能。
- 打ち上げ計画: 2025年第1四半期に最初のBlock 2衛星を打ち上げ予定。
サービスの意義
日本は自然災害が多く、山岳地帯や離島が多いため、低軌道衛星を活用した通信サービスへのニーズが高まっています。楽天モバイルの三木谷浩史会長は、このサービスが日本全域へのモバイル通信提供を実現する最先端のソリューションであると述べています。
楽天グループとASTの関係
楽天グループはASTの創業時に出資しており、三木谷会長は「うちが創業資金を出した」と語っています。最近、楽天グループはAST株式で約1000億円の評価益を計上しました。
今後の展望
- 楽天モバイルとASTは、2020年から戦略的パートナーシップを結び、技術開発を進めてきました。
- 日本全土のエリア化には45機程度の衛星が必要とされています。
- 当初は24時間のフルサービスではなく、使用できない時間もある可能性があります。
この革新的なサービスの実現により、日本の通信インフラはさらに強化され、災害時の通信確保や遠隔地での接続性向上など、多くの利点がもたらされることが期待されます。