ソラコム株式会社は、2015年に設立された日本発のスタートアップ企業で、IoTプラットフォームを提供しています。同社は、IoTデバイスのデータ通信を容易にするためのSIMカードを利用したサービスを展開しており、クラウド上に独自のモバイルコアシステムを構築しています。このシステムにより、従来の通信事業者と比較してコスト効率が高く、競争力のあるIoTプラットフォームを提供しています。ソラコムは、北米やヨーロッパを含む約180カ国でサービスを展開しており、契約回線数は400万を超えています。同社の技術は、製造、物流、ヘルスケアなど多岐にわたる業種で利用されています。また、ソラコムはスズキやKDDIとのコネクテッドカーの取り組みを進めるなど、さまざまな企業との協業も行っています。同社の代表取締役社長は玉川憲氏で、IoTの普及に貢献することを目指しています。
ソラコムのモバイルコアシステムの具体的な仕組み
ソラコムのモバイルコアシステムは、AWSクラウド上で自社開発されたもので、LTEや5Gといったセルラー通信の中核を担っています。このシステムは、クラウド上での柔軟なスケーリングと高い可用性を実現するために、ロードバランサを用いたアーキテクチャを採用しています。
具体的には、ソラコムのコアネットワークはSGW（Serving Gateway）とPGW（Packet Gateway）の間にロードバランサを配置し、MNO（Mobile Network Operator）のSGWの構成やIPアドレス数に依存せず、PGWを自由にスケールできるようにしています。この構成により、処理量の弾力的な変化と可用性の向上を実現しています。
また、ソラコムのモバイルコアシステムは、ソフトウェアとして内製されており、設備投資が不要であるため、コスト効率が高く、競争力のあるIoTプラットフォームを提供しています。
ソラコムのSIM事業
ソラコムのSIM事業は、IoTデバイス向けに特化した通信サービスを提供しており、以下の特徴があります。
- ワンストップサービス: ソラコムは、通信インフラだけでなく、IoTサービスを迅速に提供するために必要なデバイス、通信、クラウドサービスを統合したワンストップサービスを提供しています。
- リカーリング収益モデル: IoTプラットフォームサービスの利用に伴う毎月のサブスクリプション収益を重視しており、安定した収益基盤を築いています。
- グローバル展開: ソラコムのSIMは、180カ国以上で利用可能で、392の通信キャリアをカバーしています。これにより、グローバルなIoTプロジェクトにも対応可能です。
ソラコムのSIM事業は、特に以下のような企業に評価されています。
- IoTサービスを迅速に市場投入したい企業: ワンストップサービスにより、迅速なサービス展開が可能です。
- グローバル展開を目指す企業: 広範な国際カバレッジにより、世界中でのIoTプロジェクトに対応できます。
他企業との比較
ソラコムのSIM事業が他の企業と比べて優れている点は、以下のような特徴にあります。
- グローバル対応: ソラコムのSIMは、160以上の国と地域で利用可能で、グローバルなIoTプロジェクトに対応できる点が評価されています。これにより、国内外問わず、広範囲でのデバイス接続が可能です。
- ワンストッププラットフォーム: デバイス、通信、クラウドのノウハウを統合したプラットフォームを提供しており、IoTに関連する問題を一元的に解決できる点が強みです。
- 柔軟な料金体系: どのキャリアに接続しても一律の料金を支払うだけでよく、技術に依存しない形でのコネクティビティを確保しています。これにより、コスト管理がしやすくなっています。
- SIM管理の利便性: ソラコムは、SIMの通信速度の変更や通信の休止、再開、監視などをウェブやAPI経由で一括操作できる管理ツールを提供しています。これにより、企業は効率的にSIMを管理することができます。
これらの特徴により、ソラコムのSIM事業は多くの企業から高く評価されています。
ソラコム：https://soracom.jp/
