NTTが世界初となる超高速光通信の実験に成功し、通信業界に大きな進展をもたらしました。この画期的な成果は、現行システムの50倍以上という驚異的な速度を実現しています。
目次
455Tbit/sの光通信に成功
NTTは2024年12月9日、陸上フィールド環境での最大455Tbit/s(テラビット毎秒)の信号伝送に世界で初めて成功したと発表しました[1]。この実験は、外乱による光ファイバーケーブル内の信号伝搬環境の変動がある実際のフィールド環境下で行われました。
革新的な技術
この画期的な成果を可能にしたのは、以下の革新的な技術です。
- マルチコアファイバー: 従来の光ファイバーは1本のコア(光の導波路)しか持ちませんが、今回の実験では12のコアを持つマルチコアファイバーを使用しました。
- 高密度多心ケーブル: マルチコアファイバーを商用の高密度多心ケーブルに実装・接続しました。
- 大規模MIMO信号処理技術: この技術を適用することで、高速・大容量の通信を実現しました。
実験結果
- 短距離伝送: 53.5kmの伝送距離で455Tbit/sの大容量伝送を実証。
- 長距離伝送: 日本の基幹光ネットワークの大動脈である東名阪区間をカバーする1,017kmの伝送距離で、389Tbit/sの中継増幅伝送に成功。
将来への展望
この技術は、2030年代のIOWN構想やBeyond 5G/6G時代の大容量光伝送基盤の実現に大きく貢献すると期待されています。NTTは今後、関連技術分野と連携して研究開発を進め、大容量陸上ネットワークの実用化を目指すとしています。
まとめ
NTTの今回の成果は、通信技術の未来に大きな可能性を示すものです。現行システムの50倍以上という驚異的な速度は、将来のデジタル社会における大容量データ通信の需要に応える重要な一歩となるでしょう。今後の実用化に向けた取り組みに注目が集まります。
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