マグネシウム空気電池は、負極に金属マグネシウム、正極に空気中の酸素を使用する革新的な電池技術で、水を加えるだけで発電し、長期保存が可能な非常用電源として注目されています。この電池は、スマートフォンの充電から災害時の緊急電源まで幅広い用途に適しており、環境にも優しい特徴を持っています。
被災中でも安心してスマートフォンを充電できる
マグネシウム空気電池は、スマートフォンの充電に特に適した機能を備えています。代表的な製品である「MgBOX」は、1台でスマートフォンを最大30回フル充電できる大容量を誇ります。また、「WattSatt」は5つのUSBポートを装備し、複数のスマートフォンを同時に充電可能です。これらの製品は、災害時や停電時に重要な通信手段となるスマートフォンの電源確保に役立ちます。
- 充電回数:スマートフォン30回分(MgBOX)、45台分を60%充電(WattSatt、9時間使用時)
- 同時充電:最大5台(WattSatt)
- 出力:DC5V、最大電流1.2A(MgBOX)
- 長期保存:保証期間5年
これらの特性により、マグネシウム空気電池は非常時のスマートフォン充電に信頼性の高いソリューションを提供します。
使い方も簡単
マグネシウム空気電池の使用方法は非常にシンプルで、災害時でも簡単に操作できるように設計されています。一般的な手順は以下の通りです。
使用する水は通常の水道水で十分ですが、緊急時には雨水や海水、入浴剤を入れていない風呂の残り湯でも代用できます。電池の発電は塩水を入れてから約2日間継続し、その間スマートフォンなどのUSB機器を充電できます。使用後は自然乾燥させ、各自治体の廃棄ルールに従って処分できるため、環境への負荷も少ない点が特徴です。
マグネシウム空気電池を手掛ける企業
マグネシウム空気電池の開発と製造は、日本の複数の企業によって行われています。主要なメーカーには以下が含まれます。
- 古河電池株式会社:非常用マグネシウム空気電池「MgBOX」シリーズを開発・販売
- 藤倉コンポジット(旧藤倉ゴム工業):非常用マグネシウム空気電池「WattSatt」を製造
- 東京電業株式会社:マグネシウム空気電池「マグネの力」を提供
- アクモホールディングス:マグネシウム-空気電池を開発
これらの企業は、それぞれ独自の技術や特徴を持つマグネシウム空気電池を市場に投入しており、非常用電源や災害対策用途を中心に製品展開を行っています。各メーカーは製品の性能向上や用途拡大に向けた研究開発を継続的に進めています。
コメント