トヨタ自動車が掲げる「全方位戦略」は、電気自動車(EV)だけでなく、ハイブリッド車(HEV)や燃料電池車(FCEV)など多様な選択肢を同時に追求する アプローチとして注目を集めている。この戦略は、世界各地の異なるエネルギー環境やユーザーニーズに対応し、カーボンニュートラルを目指す上で重要な役割を果たすとトヨタは主張している。
トヨタのBEV拡充計画
トヨタは2026年までに10車種の新型BEVをグローバルに投入し、年間販売台数150万台を目標としている。この計画は、2021年に発表された「2030年までに350万台/年」という長期目標に沿ったものだ。さらに、2026年には全く新しい「こころ揺さぶる」高効率なBEVの投入を予定している。 トヨタの次世代BEV戦略の要点:
- 2026年までに新型BEV10モデル投入
- 2026年の年間BEV販売目標150万台
- 次世代電池技術の開発(パフォーマンス版、普及版、全固体電池)
- 2027-2028年に全固体電池のBEV実用化を目指す
- マルチパスウェイプラットフォームによる多様な電動車の提供
地域別電動化アプローチ
電動化の普及状況は地域によって大きく異なり、各国・地域の特性に応じたアプローチが求められている。日本国内では、岐阜県が人口1万人あたりのEV・PHEV普及台数で首位を維持しており、2023年には67.3台に達している。一方、グローバルでは中国、欧州、米国が主要なEV市場として台頭しており、各地域で異なる規制や政策が導入されている。
- 中国:世界最大のEV市場として急成長し、国内OEMが優位な立場を確立
- 欧州:厳格な環境規制を背景に、EVの普及が進む
- 米国:近年EVの普及が加速し、3大市場の一角を形成
- 日本:HEVを中心とした電動化が進展、地方自治体による独自の普及促進策も展開
これらの地域差を踏まえ、自動車メーカーは各市場の特性に合わせた戦略の策定と、ローカルな要件への対応が求められている。
レクサス先導のBEV戦略
レクサスは、トヨタグループのBEV戦略において先導的な役割を担っている。2030年までにすべてのカテゴリーでBEVのフルラインアップを実現し、欧州、北米、中国でBEV100%、グローバルで100万台の販売を目指している。さらに、2035年にはグローバルでBEV100%を達成する計画を掲げている。 この戦略の一環として、レクサスは以下の取り組みを進めています。
- 2022年後半に初のBEV専用モデル「RZ」を日本市場に投入
- BEV専用プラットフォーム(e-TNGA)の採用と電動化技術「DIRECT4」の活用
- 2026年に次世代BEVプラットフォームとソフトウェア基盤を刷新した新モデルの投入
- バッテリーの3R(リビルド/リユース/リサイクル)の推進4
- 製造から走行時までの全段階での脱炭素化を2035年までに目指す
レクサスは、高級ブランドとしての特性を活かし、BEV技術の先進性と「レクサスらしさ」の融合を目指しています。この戦略は、トヨタグループ全体のBEV展開を加速させる重要な役割を果たすと期待されています。
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